VR(仮想現実)とAR(拡張現実)。なんとなく違いはわかったつもりでいるような気でいるけど、それでもちょっと不安な気がする。
今回は、VRとARの違いを徹底的に解説し、そしてMR(複合現実)という聞きなれない単語についても解説・比較・説明していきたい!
本記事では、
VR(仮想現実:Virtual Reality:バーチャルリアリティ)
AR(拡張現実:Augmented Reality:オーグメンテッドリアリティ)
MR(複合現実:Mixed Reality:ミックスドリアリティ)
これらの違いについてさらっと学んじゃおう!
これで君も(そして僕も)VR博士だ!なんじゃそれ。
VRとは〜仮想現実〜
VR(Virtual Reality:バーチャルリアリティ)とは、コンピュータ上に人口的な環境を作り出し、あたかもそこにいるかの様な感覚を体験できる技術のこと。
日本語では「仮想現実」あるいは「人口現実感」と呼ばれている。
2016年はVR元年とも呼ばれており、Oculus RiftやHTC Vive、PlayStation VR(PSVR)など、ハイエンドHMD(ヘッドマウントディスプレイ)が多数発売されており、2017年にもVR技術によって360度ゲーム世界を体感できる機会は徐々にだが確実に増えていくと期待できる。
また、iPhoneやAndroid端末のスマートフォンでもGear VR 、Google Cardboardなど、多彩なウェアラブルVRゴーグルが発売されており、中には非常に安価で買うことができるものもある。
VRの代表製品
PlayStation VR(PSVR)
PlayStation®VR(PS VR)はPlayStation®4と連携してバーチャルリアリティ(VR)体験が可能なシステム。PS VR用のヘッドセットをかぶると没入感のある3D空間が出現し、ゲームの世界に本当に入り込んでいるかのような体験ができる。
2017年2月現在、非常に入手困難。
PlayStation VR PlayStation Camera同梱版
HTC VIVE
VIVEはHTC社の開発したVRヘッドマウントディスプレイ。
5メートル四方を歩くことのできるルームスケール(部屋サイズ)VRシステムで、SteamVRコントローラーを手の代わりとし、体や手を実際に動かしながらの没入体験ができる。
起動はPCをホストにし、専用のトラッキングシステムと連携させて動作させる。VR酔いの限りなく少ないハイスペックさがウリ。
HTC Vive バーチャルリアリティ ヘッドマウントディスプレイ VRヘッドセット [並行輸入品]
Oculus Rift
Oculus社が開発・発売しているバーチャルリアリティ向けヘッドマウントディスプレイ。
製品名自体はRift、しかしOculus Rift(オキュラス・リフト)、あるいは単にOculus(オキュラス)として表記される場合がある。
Oculus Rift cv1 製品版 2016 オキュラス リフト (Oculus Rift cv1 製品版) [並行輸入品]
HMDとPC(ソフトウェア)を組み合わせたシステムで、広視野角、頭の動きに表示が追従するヘッドトラッキングという特徴を持っている。
Xbox Oneなどのコントローラーを用いての操作も可能。
VRを題材にした代表作品
ソードアート・オンライン SAO
ARとは〜拡張現実〜
ARとはAR(Augmented Reality:オーグメンテッドリアリティ)と呼ばれ、日本では拡張現実と呼ばれている。「もう一つの空間・世界」をつくるVRに対して、ARは現実にデジタル情報を付与し、CGなどで作った仮想現実を現実世界に反映(拡張)していく。
スマートフォンアプリでも多く再現されており、最も有名なのは2016年にリリースされたスマートフォンアプリ『Pokémon GO(ポケモンGO)』であろう。
位置情報を使うことで、スマートフォンの画面内に現実の風景とポケモンを一緒に映し出し、その場にポケモンが登場したように感じることができた(実際はAR機能をオフにしたほうがポケモンを捕まえやすいのではあるが)。
VRとARの違い
VRは現実世界とは切り離された仮想世界に入り込むのが目的。
ARはあくまで現実世界が主体なのが最大の違い。こちらはゲームだけじゃなく、交通事故シミュレーションや安全運転のためによく利用されている。
ARの代表製品
GoogleGlass
残念だが一般発売は中止されてしまった模様。
Microsoft HoloLens
マイクロソフト ホロレンズ Microsoft HoloLens メガネ Glass ホログラム コンピュータ 3D映像 Holographic Windows 10【開発者向け 】 [並行輸入品]
EPSON Moverio
ARを利用したウェアラブルデバイスは、透過型メガネの形を取っていることが多い。有名どころでは「名探偵コナン」の「犯人追跡メガネ」や「ドラゴンボール」の「スカウター」もARの一種ではないだろうか。
今まではマンガやSFの世界の領域だったが、今後さらなる廉価化によってVR以上に日常的に親しまれることが期待される。
EPSON MOVERIO スマートグラス BT-200AV
VRを題材にした代表作品
電脳コイル「電脳メガネ」

画像出典…http://www.tokuma.jp/coil
名探偵コナン「犯人追跡メガネ」

画像出典…http://www.ytv.co.jp/conan/
ドラゴンボール「スカウター」

画像出典…http://www.b-boys.jp/db
※ARが題材なのは原作「ドラゴンボール」作中に登場する「スカウター」を指す。
MRとは〜複合現実〜
VR、ARよりも聞き覚えがない方も多い方も多いであろう「MR」。MRとは、(Mixed Reality:ミックスドリアリティ)のことで、日本語では「複合現実」と呼ばれる。
MRはCGなどで人工的に作られた仮想世界と現実世界の情報を組み合わせて、仮想世界と現実世界を融合させる技術。
ざっくり言うとVRとARの上位版のようなもの。
仮想世界を現実世界に重ねあわせて体験できるのが最大の特徴。
ARとは逆の発想で、主眼はデジタル空間に置かれており、カメラなどを通して受け取った現実世界の情報をデジタル空間上に反映していく。
現実世界の情報をデジタル空間に固定できるので、その情報を他のユーザーと共有する事が可能。
将来的には仮想空間を現実空間に反映(AR)し、それを違和感なく体験(VR)することを目指しているようだ。
オフィスのディスプレイをヘッドマウントディスプレイなどのウェアラブルにリプレースすることなどが期待されている。
現在はカメラなどで撮影した画像を、デジタル空間上に反映していく等、日本ではキャノンが先進的に取り組んでいる。
MRの代表例
Magic Leap
その他
仮想現実的な効果を与えるものとして、3D投映(プロジェクションマッピング)やホログラフィが親しまれている。今回紹介した3つの他に、現実と仮想世界を入れ替える技術であるSR(Substitutional Reality:サブスティチューショナルリアリティ:代替現実)と呼ばれる技術もある。
将来的にはどちらも発達していくと予想され、いずれ機会があれば紹介したい。
今後のVR・AR・MRの発展予想
アニメ「攻殻機動隊」や映画「マトリックス」、あるいはマンガ「ルサンチマン」「狂四郎2030」のような、VR作品が登場するSF作品に心を踊らせた方も多いのではないだろうか。
イギリスの投資銀行が2015年4月に発表した推計によれば、仮想現実や拡張現実をあわせた世界全体のビジネス規模は、2016年の約6000億円から、2020年には約15兆円規模にまで拡大すると予測されているという。
今後もVR・AR・MRの発達により、仮想現実だけではなく、現実そのものが拡張、活性化していくことを期待しまくってやまない。
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