VR Fitness Insiderが新たな研究の結果を伝えた。病院での注射を怖がる子どもをVRが救うことになるかもしれない。
医療業界とVR
医療・医学はVRを積極的に取り入れている業界の一つだ。内蔵や筋肉の構造・働きを学ぶときにはVRが積極的に活用されている。このような方法は、医学を志す人にとって当たり前のものになっていくだろう。
学習用だけでなく、患者の治療やリハビリにVRを取り入れる動きもある。PTSDや不安障害の治療にVRによるシミュレーションが効果的だという。
また、手術への恐怖や痛みを和らげてくれる効果もあるようだ。鎮痛剤の使用を減らすことができるという報告もある。
今回の研究では、VRによって子どもが抱く注射の恐怖を和らげることができる可能性が示された。
予防接種とVRの研究
この研究が行われたのは、2016年9月からの3ヶ月間だ。
実験では、244人の子どもが被験者となった。112人がVRを使いながらインフルエンザの予防接種を受けた。残りの132人はVRなしで普通に予防接種を受けた。VRで提供されたのはゲームなどではなく、リラックスできる海の画像だという。
対象となった子どもたちの48%が、VRを使うことで痛みが軽減された報告している。子どもたちの様子を説明するように求められた保護者は、痛みや恐怖が半減していたようだと答えている。
別の研究
別の研究では、さらに効果が大きいかもしれないと報告されている。こちらの研究では、7割が痛みや恐怖の緩和を感じたという。
この研究は、小規模なものだ。結果を正確にするにはより大規模な調査が必要だが、チームはVRが医療の与える痛みや恐怖から気をそらすために利用できると考えている。
チームの医師が懸念しているのは、子どもへの予防接種を避ける保護者の存在だ。子どもが嫌がる予防接種を受けさせるのは、両親にとっても疲れる。VRの利用で痛みや恐怖を軽減できれば、インフルエンザの予防に繋がるかもしれない。
拡大の可能性
今回の実験結果は期待できるものだ。インフルエンザの予防接種以外にも、病院ではしばしば針を使う。採血や点滴のときにもVRを活用できるかもしれない。注射に限らず、子どもが病院や医師を怖がるときには利用できるはずだ。
もちろん、VRは子どもだけのものではない。大人でも病院や歯科医院が苦手だという人は少なくない。そういった大人にとっても、嬉しい研究結果だ。
この研究が行われたきっかけは、15才の少女だという。医師の娘が、VRによって患者の注意をそらす方法を提案したそうだ。
参照元サイト名:VR Fitness Insider
URL:http://www.vrfitnessinsider.com/crush-fear-vr/
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