ForbesにMRが上手く進んでいない理由を指摘する記事が掲載された。そこで挙げられた理由は、PRのやり方である。
VR/AR/MR
VRは2016年にかなり一般へと広まった。独立型のVRヘッドセットまでは行かずとも、Gear VRのようなモバイルVRヘッドセットは世界中で販売された。
ARも順調に成長しているように見える。ARを使ったサービスや、それを扱う企業は多額の資金を獲得しており、いくつもの期待できる製品が開発されている。
そんな中で、MRはあまり調子が良くないようだ。MicrosoftのHoloLensは次世代機がキャンセルされ、三代目が2019年に登場するという情報が流れている。VRInsideでも今朝取り上げたばかりだ。
MRの理想と現実
ARでは、スマートフォンやARグラスを通してシームレスな経験がもたらされる。ARはシンプルなので大きな驚きは無いかもしれないが、期待通りの働きをしてくれる。便利なツールとして、生活に馴染んでいくだろう。
一方で現在のMRは、不格好なヘッドセットを必要とする。インパクトは強く、最初は驚きを与えてくれるものだ。しかし、提供される視野は小さく、ヘッドセットも重いのでユーザはイライラし始める。
もう一つの違いが、利用を開始する方法の簡単さだ。ARは簡単だが、MRは面倒だ。
ARでは、ただスマートフォン(もしくはARグラス)でアプリをダウンロードして起動すれば良い。MRでは、ユーザがやらなければいけない作業がいろいろある。MRヘッドセットのプロモーションでは本当に素晴らしいもののように思えても、使ってみるとがっかりするかもしれない。
製品を販売する以上、PRで「素晴らしい」と感じてもらうことは重要だ。そうしなければ、消費者は財布の紐を緩めない。特にMRのような全く新しい技術の場合、まずはヘッドセットを買ってもらわないと何も始まらない。
だが、実際以上に良いものだと勘違いさせる、あるいは騙すような広告を行うのは危険だ。Magic LeapのPR映像は「実際の映像」とされていたが、実は加工されたものであることが最近明らかになった。このような広告が続けば、消費者は誰もIT技術のもたらす未来に期待しなくなってしまうだろう。
MRのような消費者向けの技術では、分かりやすいデモンストレーション映像が好まれる。そういった映像はユーザにとって商品の機能や価値が理解しやすく、「これを買えばこんなことができる」という期待を持てるものだ。
一旦製品が完成してしまえば、開発者にとってもデモ映像を用意することは容易い。だが、開発中の段階で作った映像と製品がかけ離れたものになってしまうことはあり得る。
広告を作る場合には、それが製品の機能を示すのか、利用シーンやコンセプトを見せるためのイメージなのかをきちんと区別しておく必要がある。ここが曖昧なものになると、消費者が期待を膨らませすぎて製品に不満を抱く結果になってしまう。
興味をもたせながらも、満足させられないほどの過剰な期待はさせない。そんなバランス感覚のある、そして嘘のないPRで消費者をワクワクさせることができるかがMR成功の鍵なのかもしれない。
参照元サイト名:Forbes
URL:http://www.forbes.com/sites/paularmstrongtech/2017/02/20/stop-the-hype-microsoft-and-magic-leap-are-creating-their-own-disasters/#cbffae423416
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