VRと並ぶ最新テクノロジーのひとつに、ドローンがある。
ドローンは、空中を飛ばして空撮するホビー用途の他にも、Amazonが荷物の配送用として取り入れようとしているなど、ビジネス用途でも導入が模索されている。
ところで、このドローンを使ったホビーのひとつ、ドローンレースは、VRとの関わりが深い。
この記事では、VRとドローンレースがどのように関わっているのかについてご紹介しよう。
ドローンの操縦技術を競うレース!ドローンレース
遠隔操作や自動制御によって飛行できる航空機、「ドローン」。
この「ドローン」の操縦技術を競うレースが、「ドローンレース」だ。
レースの内容自体は、「F1レース」や「競馬」など他の競技と同様と考えてOK。
既定のコースを飛行して、最も速くゴールに到達した競技者が勝利する。
この「ドローンレース」では、「FPV」という操縦方法が用いられることが多い。
ドローンを操縦するには資格が必要!?
「ドローンレース」はまだまだ日本では普及が進んでいない。
この理由のひとつとして、ドローンの操縦には資格が必要という点が挙げられる。
ドローンの遠隔操作は無線を用いて行うが、この時用いられる周波数は5.8GHz帯が主流。
この5.8GHz帯の電波を使うためには、日本ではアマチュア無線4級の資格が必要となるのだ。
資格が不要な2.4Ghz帯を使用したドローンも存在してるが、「ドローンレース」では5.8GHz帯が主に用いられている。
ドローンの視点で操作可能にする!FPVとは
ドローンを遠隔操作する場合の方法として最も基本的なものは、「目視」だ。
ラジコンカーを操縦する場合と同じく、肉眼でドローンの位置を確認して操縦する。
この場合、操縦者とドローンの間に遮蔽物があったり、一定以上距離が離れたりすると操縦が困難になる。
また、高さや方向感覚が把握しづらく、操縦に慣れが必要という側面もある。
こうした「目視」の欠点を補えるのが「FPV」。
「First Person View(ファーストパーソンビュー)」の頭文字を取ったもので、意味は一人称視点。
ゲームなどで用いられる一人称視点と同様、ドローンの視点で操縦できるというものだ。
「FPV」はドローンにカメラを取り付けて映像を送信し、手元の操縦機器に映像を表示する。
これによって、ドローンの高さや位置、方向感覚をより正確に理解できるようになる。
ただし、ゲームでも3D酔いやVR酔いが発生するのと同様、「FPV」で操縦すると「FPV酔い」が引き起こされてしまうというデメリットもある。
VRゴーグルによってドローンに乗っている疑似体験が可能に
VRが関わってくるのが前述の「FPV」だ。
ドローンに左目用のカメラと右目用のカメラを搭載し、ヘッドマウントディスプレイに映像を送信することで「FPV」の映像をVR化。
自分がドローンに乗っているかのような体験が可能に。
こうしたヘッドマウントディスプレイは「FPVゴーグル」と呼ばれており、ディスプレイとしての機能を持ったハイエンドなゴーグルと、ディスプレイにスマホを用いる、いわゆる「スマホVR」的な「FPVゴーグル」と二種類が存在している。
ディスプレイとしての機能を備えたFPVゴーグル
ディスプレイとしての機能を備えたFPVゴーグルは、VR用ヘッドマウントディスプレイで言えば、「Oculus Rift」や「HTC VIVE」のようなタイプ。
FPVゴーグル自体がディスプレイ機能を持っており、カメラから送られてきた映像を表示可能。
映像を送信するためのカメラが別途用意した上で、カメラをドローンに設置する必要がある。
「ドローンレース」で使われるFPVゴーグルはこのタイプのもの。
現在「ドローンレース」が普及しているのは海外であるため、基本的にはメーカーも海外企業だ。
映像の送信に使う周波数帯は5.8GHz帯であるため、日本ではアマチュア無線4級の資格が必要となる。
スマホを使ったVRゴーグル
スマートフォンを頭に固定するためのマウント用機器としてゴーグルを使用するというもので、「Google Cardbord」や「ハコスコ」などのスマホVRのようなタイプ。
ドローンからの映像をスマートフォンに送信し、スマートフォンのディスプレイに左右分割表示することで3D表示を行う。
このタイプのものの中には、資格が不要な2.4Ghz帯で映像の送信を行うものも存在している。
また、「ドローンレース」用ではなく玩具的なドローンとしてではあるが、日本のメーカーからこのタイプの操縦が楽しめるドローンが発売されている。
Parrot FPVパック

出典元:Parrot.com
ラジオコントロール リアルライブテトラル
日本での発展に期待!
ドローンレースが日本で発展するためには、無線の資格の問題などハードルも少なくない。
しかし、ドローンレースの映像を見ればその魅力は一目瞭然。
スピード感や浮遊感といった気持ちよさを、誰もが感じられるハズだ。
また、ドローンレースそのものの本質的な魅力もさることながら、ライトアップされた会場など、イベントとしての魅力も高い。
是非日本でも発展していってほしい!
リアルタイムの映像が既にヘッドマウントディスプレイ向けに最適化されていることを考えると、レースの映像を一般的なVRでも追体験可能にするのは難しくなさそうだ。
プロモーション向けに配信したり、レース優勝者のクールな操縦を体験できるコンテンツとして販売したりすれば、ドローンを操縦しない人でも気軽にドローンレースを自分事として体感できるようになるので、普及が進むんじゃないか…と個人的には期待している。
Copyright © 2017 VR Inside All Rights Reserved.