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メガネよりも車!未来の自動車にはAR機能が搭載される

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AR技術を搭載した自動車の運転席

AR技術を搭載した自動車の運転席から見た景色

AR技術が登場したばかりの頃にARデバイスとしてイメージされていたのは、情報を目の前に表示可能なGoogle Glassのようなスマートグラスだった。Google Glassが失敗したことで一度はスマートグラスへの期待もしぼんでしまったが、最近になってGoogleは再びGlassのプロジェクトに取り組み始めたようだ。

他にもスマートグラスを開発している企業はあるが、メガネ以上にAR技術と相性が良いかもしれないのが自動車だ。自動車のフロントガラスはスマートフォンのディスプレイよりも大きく、ARオブジェクトを表示するのに適している。

将来は、AR機能を搭載した車が(自動運転で)街を走るようになるかもしれない。

ARに適したハードウェア

Google Glass

スマートグラスは本当にARに適したハードウェアだろうか

ユーザの視界を遮ることなく目に見えている世界にオブジェクトを重ねて表示することのできるAR技術は、VR技術とはまた異なるニーズに対応することができるだろう。

サングラス・メガネ

サングラスやメガネにAR機能を搭載したスマートグラスは、一見するとARの特性に合ったデバイスのように思われる。メガネ型ならば、ユーザの邪魔をすることなくハンズフリーで視界に情報を表示することができるからだ。

しかし、スマートグラスには不利な点もある。本体を小型・軽量化しなければならないので、処理能力が制限されてしまうのだ。

レンダリング品質が低ければ、せっかくAR技術を使っても文字が読みにくかったり、映像がチープなものになったりしてしまう。目まぐるしく表示内容が変わる場面では、処理が追いつかなくなってしまうこともあるかもしれない。

PCベースのVRヘッドセットのように電源と有線接続することもできないので、バッテリーの持続時間も不安だ。

スマートフォン・タブレット端末

スマートフォンやタブレット端末はAR専用のデバイスではないが、多くのARアプリがこうした機器に向けて開発されている。

スマートグラスに比べれば本体を大きくできるので高い処理能力を持たせることが可能だが、それでもゲーミングPCの能力には遠く及ばない。ディスプレイが小さいのも欠点だ。

AR機能を使用するためにはアプリを起動して本体を構えなければならず、利便性に関してはスマートグラスよりも低くなる。

自動車

スマートグラスやスマートフォンと共通する弱点を持たないハードウェアとして、ARを採用するのに適していると主張されているのが自動車だ。

自動車の大きなフロントガラスにARオブジェクトを表示すれば、スマートグラスに表示するのと同様に広い範囲を対象としてAR技術を利用することができる。スマートフォンの小さなディスプレイに比べて情報を確認するのも簡単だ。

自動車はサイズが大きいため、強力な処理システムを搭載することができる点も見逃せない。モバイルデバイスを使う場合と違って、ゲーミングPCと同じレベルの映像処理能力を持たせることも可能になるだろう。

フロントガラスに見やすく映像を表示する技術の開発は必要になるが、メガネのフレームに載るような小型コンピュータに高性能GPUを詰め込むことに比べたら簡単かもしれない。

自動車を変えるAR技術

Sygic

SygicのナビアプリでフロントガラスをHUDとして使う

フロントガラスがカーナビになる

現在スマートフォンで利用できるSygicのカーナビゲーションアプリには、カメラの映像にルート情報を重ねてAR表示する機能が搭載されている。この機能が進化していけば、記事トップの画像のように車線を認識してフロントガラスに表示可能なARナビゲーションシステムも登場するだろう。

他にも、現在の速度やガソリンまたはバッテリーの残量といった自動車に関する情報、目的地の天気予報のようなユーザが知りたい情報を表示することも可能になるはずだ。

地図と現在位置を照らし合わせるよりも直感的に把握しやすく、カーナビの画面を確認するために道路から目を離す必要もないので交通事故を減らすことに繋がるかもしれない。

フロントガラスを使ったエンターテイメント

実用的な情報を表示するだけでなく、エンターテイメント要素のあるコンテンツを表示することも考えられる。

人間のドライバーが運転する車では、ドライバーの視界を妨げず、注意を逸らすことがないようなちょっとしたコンテンツになるだろう。だが、自動運転車が普及すれば大胆にガラスを使ったエンターテイメント作品も可能になるかもしれない。

自動運転ならばユーザはただ座っているだけで良いので、飛行機に乗っているときに映画を見るような形で移動時間を利用できるようになる。

 

一般的な自動車のフロントガラス全面をARディスプレイとして使うのは、表示技術的にもユーザの感覚からも難しそうだ。しかし、自動車にはAR技術を採用するハードウェアとして適した性質があることもまた事実である。

メガネではなく、自動車からARが広まっていく未来も考えられる。

 

参照元サイト名:Venture Beat
URL:https://venturebeat.com/2017/08/23/ar-will-drive-the-evolution-of-automated-cars/

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