海外メディアTheNextWebは、「Shopper MX」を紹介した。
VR空間を活用すればコスト削減に
小売店舗における商品レイアウトが売り上げに直結することは、疑う余地はないだろう。売りたい商品が客が見つけづらいところにあれば、売れるかどうかも覚束ない。こうした商品レイアウトを練るのは、豊富な商品知識と長年の経験に加えて、実際に何度も置き換えてみて試行錯誤してみる根気のいる作業なのだ。
この「泥臭い」とも言える商品レイアウト計画をスマートに解決するソリューションが現れた。それが、InContext Solutionsが提案する「Shopper MX」だ。
同ソリューションは、試行錯誤を要する商品レイアウトをバーチャル空間で実行することで、金銭的・時間的コストを削減することを可能とする。確かに、リアルに存在する店舗で商品レイアウトを何度も試すより、バーチャルに試して客からの見栄えを検討すれば、金銭的にも時間的にも節約できるだろう。
同ソリューションの強みは、VR空間を活用するだけに留まらない。商品レイアウト計画を立てる時、通常は長年の売り上げ記録に基づいて、店舗管理者が経験を頼りに計画を練ることになる。しかし、ヒトのアタマでは処理できる情報量も限られ、思い込みが邪魔して最適なレイアウト案にたどり着けないことも考えられる。こうしたヒトが計画することによる限界を、同ソリューションはAIを導入することによって乗り越える。AIによる支援を受ければ、より客観的かつ迅速にレイアウト計画を練ることができるというわけだ。
同ソリューションに関して、InContext SolutionsのCTOであるTracey Wiedmeyerは、以下のように述べている。
今日の小売業者は、(オンラインショッピング最大手である)Amazonからのプレッシャーにさらされており、より良い顧客体験を提供することに迫られています。それゆえ、多くの小売業者がクリスマス商戦の商品レイアウトを6月から練っているほどです。
わたしたちのソリューションを使えば、計画中のレイアウトが実際に顧客が見えるのと同じように、バーチャル環境で見ることができます。このソリューションによって、経費だけではなく時間も節約できるでしょう。
以上のような「Shopper MX」は、現実には何度も実行できないことをバーチャル空間であれば、少ない時間と費用で何度も実行できるVRテクノロジーの特徴を適切に活用したソリューションの一例と言えるだろう。
VR x AIソリューションの展開
現在の最先端テクノロジーを代表するVRとAIが融合したソリューションやサービスに関して、本メディアでもいくつかすでに紹介している。
Starship Commander
Microsoft Researchは、音声コマンド機能を使ったVRSFアドベンチャーゲーム「Starship Commander」のデモ動画を公開している。
2分半ほどの同動画は、同研究所でUIを研究しているAlexander MejiaがVR音声コマンドを解説しているパートと、実際にVR音声コマンド機能を使ったVRゲーム「Starship Commander」をプレイしているパートから構成されている。
注目すべきは、動画後半(1分20秒以降)の同ゲームのプレイパートで、Oculus Riftを装着したプレイヤーは、VR空間にいる女性の姿をしたバーチャルアシスタントに音声で指令を与えているのだ。その光景は、今まで何度もSF映画で見て来たヒトとAIの会話そのものだ。この会話には、当然ながらAIが活用されている。
動画に見られるVR音声コマンドは、ゲームだけではなくには医療、エンジニアリングといった多くの分野に応用できるだろう。
キズナアイ
キズナアイは、2016年12月に活動を開始した“AI搭載のバーチャルYouTuber”（自称）である。
彼女が運営するA.I.Channelのチャンネル登録数は45万人を超えるという。そんな彼女は、通常の動画配信だけではなく360°動画の配信も行っている。
そんな360°動画では、スナックを訪問したり、彼女といっしょに体力測定ができたりする。
VRもAIも現在成長著しいテクノロジーなので、今後もこのふたつがコラボするサービスやソリューションが現れるだろう。
Shopper MX公式ページ
https://www.incontextsolutions.com/virtual-reality-solutions/retail-simulations
「Shopper MX」を紹介したTheNextWebの記事
https://thenextweb.com/artificial-intelligence/2017/08/29/this-company-combines-ai-and-vr-to-help-retailers-improve-store-layouts/#.tnw_C1EhntJn
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