360度動画を用いたショートフィルム「SONAR」がGoogle Daydreamで視聴可能になった。
本作は2015年に登場した作品で、Oculus Riftで視聴が可能なタイトルとしてリリース、その後Gear VRにも対応し、複数のプラットフォームで視聴できる。
今回登場したGoogle Daydream対応版では立体音響を取り入れることで、従来よりも没入感の高いVR体験が可能になった。
「SONAR」について
概要
「SONAR」は2014年の夏に製作された作品で、VR映画としては「長い歴史を持つ」と言える作品だ。本作はドイツのフィルムアカデミー、Baden-Württembergの学生であるPhilipp Maas氏とDominik Stockhausen氏の二人によって製作された。
本作は2016年のサンダンス映画祭にもノミネートされており、不思議なシグナルを発する古代の洞窟を探検するという抽象的な内容だ。
3年近く前に製作された作品でありながら細部に至るまで作り込まれており、数多くのVRコンテンツが登場する現在でも通用する作品となっている。
立体音響に対応
約6分間のSFホラー作品である「SONAR」はDaydreamに対応する際のアップデートにより、作品の世界観をより深く掘り下げる工夫がなされている。
製作者のPhilipp Maas氏はアップデート版の製作において、立体音響技術を専門に扱うDELTA Soundworksと協働して、同作の世界観を立体音響を用いて視聴できるようになった。
360度全方位から音が響き渡る立体音響を用いることで、より没入感が高く、独特な世界観をよりリアルに体験できるようになった。
複数のプラットフォームに対応
Maas氏はDaydream版「SONAR」の発表に際して、以下のように述べている。
「SONAR」はこれまでにOculus RiftとGear VR版がリリースされているが、今回登場したGoogle Daydream版はGoogle Play Storeからダウンロードできる。
VR/ARを用いた映画・アニメーション
「Wingnut AR」
VR/ARはゲームのみならず様々なジャンルのエンターテイメントに新体験をもたらすもので、映画やドラマなどのストーリーテリングにおいても大きな可能性を秘めている。
好例として、6月に開催されたアップルの開発者イベント、WWDCにて披露されたARストーリーテリングのデモ「Wingnut AR」を挙げることができる。
本作は約1分30秒ほどの短編コンテンツだが、iPad Proを机の上にかざすと、机の上が3DSFアニメーションの舞台と化し、地球に襲来したエイリアンの船団が地上に爆撃を行い、地上にいる人々が逃げ惑う様子が精巧なグラフィックによって描かれる。
エイリアンの空爆から逃げる一心で机から地面にめがけて飛び降りるキャラクターの様子も描かれるなど、現実世界を舞台にしたAR映画の可能性を示すものだ。
「MIYUBI」
「MIYUBI」はOculus RiftとGear VRで視聴可能なVR映画で、VR映画では最長の40分間の作品であるという点が特徴だ。
舞台は1980年代初期のアメリカで、日本製のトイロボット「Miyubi」が誕生日プレゼントとして男の子に手渡されるところから物語が始まる。
「Miyubi」がそばに置いてあるときと忘れられてしまうとき、家族のメンバーによる愛され方の違い、時間が経っていくことで変わっていく人の態度など、ロボットの視点を通して離れ離れになっていく家族の関係が描かれている。
バーチャル空間内で製作したアニメーション
アーティストのNick Ladd氏はVRペイントツール「Quill」とアニメーションソフト「ANIMVR」を用いて、バーチャル空間内での作業のみでアニメーションを製作している。
同氏が単独で製作したアニメーション「Escape」は1分以内の短編アニメーションだが、作中に登場する風景やオブジェクトはペインティングツールの「Quill」によって描き、アニメーションの追加はアニメーション製作アプリ「ANIMVR」を用いて行ない、製作期間は数日間とのこと。
短編でありながらも建物や風景、車やヘリコプターなどのオブジェクトが丁寧に描き込まれていて、アニメーションの動きもストーリーを把握する程度には申し分のないものだ。
参照元:VRFocus VR Short Film SONAR Gets Updated Google Daydream Release
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