株式会社博報堂DYホールディングスは、2019年9月30日(月)、株式会社MESONとの共同研究の一環として、Nreal Ltd.(エンリアル社)の協力のもと、MRグラス「NrealLight」を使用したARクラウドコミュニケーションサービスのプロトタイプ開発と実証実験を開始したことを発表しました。
ARクラウドコミュニケーションサービスの開発と実証実験について

NrealLightを用いた実証実験イメージ
近年、ARはゲームやカメラアプリなどを通じて生活者にも身近なものとなり、今後も日常生活での活用が進むと予測されており、
・ARを体験するためのデバイスの普及
・5G環境の普及
・ARクラウド技術の進展
によって、仮想空間が新たなコミュニケーションの場になるなど、生活体験が大きく変化すると言われています。
そのような背景から、博報堂DYホールディングス社とARを核とした体験のプランニング・開発を行うMESON社は、MRグラスを用いたARクラウドにおけるコミュニケーションサービスのプロトタイプ開発と実証実験の実施を発表しました。
MRグラスには、軽量・安価・スタイリッシュなデザインといった要素からNreal Ltd.社の「NrealLight」が民間市場でのユースケースとして最適と考えられ、今回の実証実験で採用されています。
ARクラウドとは、現実世界の物体のデータをクラウド上に保存、保持することで現実世界の3Dデジタルコピーをつくり、それを共有できる技術です。
この技術により、従来は一人に閉じられていたAR体験が、複数人で同時に共有できるようになり、現実世界の同じ位置に存在する仮想オブジェクトを同時に操作できるなど、よりソーシャル性の高いAR体験が可能になるだけでなく、仮想空間が新たなコミュニケーションの場に進化すると期待されています。
引用元:プレスリリース
開発中のサービスについて

ARコミュニケーションサービスのイメージ
開発中のサービスでは、ARクラウドを用いた仮想空間に、
・現実空間の店舗
・スポットの写真
・口コミなどのデジタル情報
が配置され、その仮想空間において、MRグラスを着用した複数のユーザーが同時にデジタル情報を操作して、コンテンツ投稿などのコミュニケーションができるようなサービスが想定されています。
実証実験では、仮想空間と現実空間がシームレスにつながる「サイバーフィジカル空間」においての
・新たな体験
・コミュニケーションの創出
に関して検証が行われます。
「NrealLight」について

(https://www.nreal.ai/specs)より
「NrealLight」(エンリアルライト)は、中国・北京に本社を置くNreal Ltd.社が開発した、次世代のMRグラスです。
メガネ型の高いデザイン性と88gという軽量さが特徴のモデルで、本体に搭載された3基のカメラによって空間を認識し、現実世界にデジタルな物体や情報を重ね合わせて表示します。
2020年に日本での一般販売が予定されており、一般発売の価格は499ドルで、これまでのMRグラスよりも非常に安価であることでも話題を呼んでいます。
まとめ
世界のAR/VRのハードウェア、ソフトウェア及び関連サービスに関する2018年から2023年にかけての年間平均成長率は78%以上とも言われ、AR/VR市場は今後さらに飛躍的な盛り上がりが期待されています。
そのような中で、ARクラウドが社会実装された未来のコミュニケーションサービスを探ることを目的に、2019年3月より博報堂DYホールディングス社とMESON社による共同研究が開始されており、今回は第2弾の取り組みとなります。
両社は、MRグラスを着用することで可能となる「サイバーフィジカル空間」における研究を進め、体験拡張時代に必要となるユースケースやUXの知見を蓄積して今後に活用していきたいとしています。
ソース:ARコミュニケーションサービス実証実験に関するプレスリリース[PR Times]
Copyright © 2019 VR Inside All Rights Reserved.