る株式会社は、埼玉県立本庄特別支援学校と共同で、ARテクノロジー「掃除機をどこまでかけたかわかるAR」を用いた自閉症児を対象とした自立活動のための取り組みを進めていることを発表しました。
「掃除機をどこまでかけたかわかるAR」取り組み内容
本庄特別支援学校に所属する男子児童が、「自立活動」授業にて、ARテクノロジー「掃除機をどこまでかけたかわかるAR」を用いて、掃除機での清掃活動を実施しました。
実施の流れ
①支援学校で運用
2019年2月20日〜28日、埼玉県立本庄特別支援学校の教室内で授業の一環として「掃除機をどこまでかけたかわかるAR」が運用されました。
家庭用掃除機にiPhoneを固定し、掃除機をかけた場所をiPhoneのカメラを通して空間上に軌跡として残すことが可能です。
②家庭に汎化
男子児童は教室内での4回の試行で全く問題なく掃除機をかけることができ、2019年2月28日以降は自宅で利用しています。
結果
導入前
ひとりでは掃除機をかけるべき面積の約30%未満しかかけられないため、レーザーポインターでの指示や紙テープでの細かいエリア分けなどの補助が必要でした。
導入後
ひとりでも掃除機を問題なくかけることができるようになりました。
■ プロジェクト詳細:自閉症児・者の自立活動への活用
「掃除機をどこまでかけたかわかるAR」について
「掃除機をどこまでかけたかわかるAR」は、その名のとおり掃除機をどこまでかけたかわかる視覚化アプリケーションです。
市販の掃除機にiPhoneを取り付けることで、掃除機をかけた領域を視覚化し、ARでカメラ映像に重ねて表示することが可能です。
通常、保護者などからの支援が必要である清掃活動に対して、人的支援なしでの活動ができるようになります。
特別支援学校「自立活動」授業とは
特別支援学校において「障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識、技能及び習慣を養う指導」として、「健康の保持、心理的な安定、人間関係の形成、環境の把握、身体の動き、コミュニケーション」について学習する授業を指します。
引用元:自閉症児・者の自立活動への活用
「自閉症スペクトラム」とは
自閉症スペクトラムとは、脳の機能障害で、先天的な障害です。
コミュニケーションや言語に関する症状があり、常同行動を示すといった様々な状態を連続体として包含する診断名です。
従来からの典型的な自閉症だけでなく、もっと軽い状態が含まれることになりました。
引用元:自閉症児・者の自立活動への活用
まとめ
掃除機をかけているときに、往復する動きの中でついかけ忘れたり、どこまでかけたかわからなくなってしまうこと、あるのではないでしょうか。
掃除機にiOS端末を固定することで掃除機をかけた場所を、カメラを通して空間上に軌跡として残るのは、シンプルで誰にとってもわかりやすい形です。
人的支援なしでの自立活動ができることは、支援や補助する人の負担軽減だけでなく、何より本人のひとりで出来た喜びと達成感に繋がることでしょう。
ソース:「掃除機をどこまでかけたかわかるAR」に関するプレスリリース[PR Times]
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