2020年1月7日からアメリカ・ネバダ州で開催されているCES 2020において、自動車向けARスクリーンの製造を手がけるWayRayが最新製品のフルカラーディスプレイを展示し注目を集めました。
また、WayRayはARディスプレイ技術を自動車以外の他産業へと展開させるためのいくつかの取り組みも明らかにしています。
自動車向けのフルカラーAR表示が可能に
スイスのホログラフィックディスプレイ会社であるWayRayは特殊なデバイスを一切使用せずに、速度や目的地までの道順などのリアルタイム情報を表示できるNavionというシステムで知られています。
そんなWayRayが、CES 2020で公開したのは青色レーザーが搭載された新しいホログラフィックディスプレイです。
青色が搭載されることによってRGB(赤、緑、青)の全てが揃い、フルカラーのARをディスプレイに投射することができるようになりました。
WayRayの創設者兼CEOであるVitaly Ponomarev氏も「私たちはCESに4回連続して来ています。今年、ホログラフィックARディスプレイは青色レーザーを追加して更新され、完全なRGBエクスペリエンスを提供します。」と胸を張ります。
コベストロとのパートナーシップでディスプレイを開発
また、WayRayはハイテクポリマー材料の世界有数のサプライヤの1つであるコベストロとのパートナーシップを結んだことを発表しました。
コベストロは自動車AR HUDアプリケーション用の新しいフォトポリマー製品の開発を進めてきた実績があり、
WayRayもこのパートナーシップをフロントガラスやサイドウィンドウに埋め込むことができるより革新的なホログラフィック素材の開発につなげていきたいとしています。
他産業への進出も本格化へ
画像引用元:VR Focus
CES2020ではボブキャットローダーのようなコンパクトな建設機器を製造する斗山ボブキャットとの協働も発表されました。
WayRayによると、ホログラフィックAR HUDを斗山ボブキャットの機器に追加することで、機器をより効率的かつ生産的に操作するためのより多くの情報をオペレーターに提供することができるようになります。
また、斗山ボブキャットのグローバルイノベーション担当副社長であるJoel Honeyman氏は、今回の協働によって「顧客に最新の革新的なソリューションを提供し、より多くの成果を達成できる」と期待するコメントを発表しています。
自動車向けARディスプレイの展開を進めているWayRayですが、並行して自動車産業以外への進出も目指しています。
例えば、ビルや住まいの窓に天気情報などをAR表示するシステムの開発を進めているとも伝えられてきました。
今回の協業の発表は、これまでWayRayが取り組んできた複数の産業でのARディスプレイの応用が本格化してきていると指摘する声もあるようです。
まとめ
自動車のフロントガラスにフルカラーで様々な情報を表示することができるARディスプレイ技術が登場しました。
実際のフロントガラスに表示されている様子を見るとSF映画やゲームセンターのような楽しさを感じてしまいますが、楽しいだけではなく非常に役に立つテクノロジーです。
例えば、ARディスプレイを車両事故防止システムと連動させることで、運転初心者や高齢者でも安全に自動車を運転することができるかもしれません。
その意味でも日常生活や複数の産業でのさらなる応用が期待される技術の一つだと思います。
参考:WayRay Unveils Its First Full Colour Holographic AR Display At CES 2020[VR Focus]
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