本当にその場にいるように感じられる、360度ツアーの話題がBoston Globeに掲載された。
VRでは、架空の世界に自分が入り込んだような体験が可能だ。実際には存在しないキャラクターと対話したり、不思議な世界を探索したりするコンテンツは楽しい。一方で、他の場所で撮影された写真や動画の中に飛び込む体験もできる。
EveryScapeのVR
EveryScapeは、写真を自然につなぎ合わせて360度のパノラマを作成する企業だ。同社のホームページでは、スペースシャトルやベニスのストリートを眺められるサンプルが公開されている。ヘッドセットがなくても、ブラウザから閲覧可能だ。
これらは一つの地点から周囲を眺めるだけでなく、少し先へと移動することもできる。ちょうどGoogleが提供しているストリートビューに近い。こういったコンテンツを個人や企業で作成できるのがEveryScapeのサービスだ。
ユーザが自由に室内を動き回り、モーションコントローラーで操作する「手」を使って興味があるものに触れるたり、掴んだりするものがVR体験としてイメージされがちだ。しかし、EverySpaceが提示するのはもっとシンプルなVRである。歩く代わりに部屋から部屋へとワープするように移動し、周囲を見回すだけで触れることのできないVRだ。
EveryScapeが提供する体験はVRとして物足りないと感じられるかもしれないが、利点もある。シンプルにしたことで、コンテンツの作成も簡単になるのだ。同社は個人が仮想ツアーを作成できるモバイルアプリを配信している。現在はiOS用だけで、Andoid版はないようだ。
専用の360度カメラが安価に手に入るようになっていることも、この傾向を後押しする。Samsun Gear 360は275ドル、Nikon KeyMissionは500ドルだ。中国企業はこれよりも安い360度カメラを販売している。
EveryScapeは、360度ツアーにツアーガイドを導入できるのではないかと考えている。視聴者がアパート内のツアーを見ていて疑問に思ったことを質問すると、オーナーが回答するといった仕組みだ。テキストチャットもしくは音声で相互にやり取りすることがイメージされている。
このEveryScapeの計画には、ライバルとなる企業も存在する。Googleは全国の写真家との協力体制を確立し、有料でバーチャルツアーの作成を手がけている。MatterportはiPadと連携するカメラを販売しており、主に室内(モデルハウスやホテル、マンションの一室)の内部をVRで見られるコンテンツを作成している。
こうしたVRコンテンツを用意することで、消費者のサイト滞在時間が長くなるという。これはサイトのオーナーにとって嬉しい結果だ。
VRコンテンツのリンク
先に名前を出したGoogleの他に、FacebookやYouTubeが360度の画像・映像のアップロードに対応している。しかし、それぞれのサービスは独立したものだ。そのため、「あるサービスが提供する360度写真で見つけたお店に入ることができなかったが、他のサービスでその店舗を検索すれば店内の360度写真が掲載されていた」といったことが起きるかもしれない。
これは消費者にとって不便な状況だ。インターネットでは、ウェブサイト同士がリンクして相互接続されている。VRでも、提供元の企業に関係なくコンテンツ間の連携が行われるようになると、よりユーザフレンドリーな体験が可能になるだろう。VRコンテンツが積極的に利用されるようになれば、企業にとってもメリットが生まれるはずだ。
参照元サイト名:Boston Globe
URL:https://www.bostonglobe.com/business/2017/01/27/with-this-photo-based-you-are-almost-there/abyRsN7dK89vJj7J3ank4N/story.html
参照元サイト名:EveryScape
URL:http://www.everyscape.com/
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