株式会社ジョリーグッドは2019年10月21日(月)、国内産業の人材不足対策として急増する外国人労働者の職業教育をVRで体験学習することができる「外国人労働者教育VRサービス」を開発し、第一弾として、大阪の3つの社会医療法人が連携して展開している外国人向け介護教育プロジェクト「大阪A・P・Sコンソーシアム」らと提携して介護スキルのVR教育サービスを共同開発することを発表しました。
外国人労働者向け教育VRサービスについて
国内産業の人材不足対策として急増する外国人労働者の職業教育に関して、医療・介護福祉分野を中心にVR人材育成サービスを展開するジョリーグッド社は、VRで体験学習することができる「外国人労働者教育VRサービス」を開発し、ベトナムや中国をはじめとするアジアの教育機関や国内の外国人材受け入れ企業向けに提供することを進めています。
その第一弾として、日本が世界で高いレベルを誇る介護スキルのVR教育サービスを、大阪の3つの社会医療法人が連携して展開している外国人向け介護教育プロジェクト「大阪A・P・Sコンソーシアム」(以下、大阪APS)らと提携し共同開発していくことが発表されました。
ベトナムの人材教育で豊富な実績を持つ「菅沼グループベトナム」がビジネスパートナーに迎えられ、年内にはベトナムや中国での試験提供実施、年明け2020年2月からは正式にアジア各国の大学や日本語学校、国内の外国人労働者受け入れ企業向けにサービス提供される予定です。
開発の背景
厚生労働省の発表によると、近年、日本で働く外国人の数はこの5年で倍増し、2018年10月時点で146万人を超えており、それにより労働災害による死傷した外国人も2847人となり7年連続で増加しています。
その主な要因の一つとして、外国人労働者の育成に携わる指導者の多くが“言語や文化の違いによりコミュニケーションが困難”であることを挙げています。
これまでの外国人材教育は、講師が日本語の会話をベースに技能の流れを教えていたため、日本語が未熟な生徒には文法の理解に時間がかかり過ぎてしまい、技能習得までには多大な時間を要していました。
そのような課題から、職業教育をVRで体験学習することができる「外国人労働者教育VRサービス」が開発されました。
VRによる外国人労働者教育のメリット
1.言語に頼らず、リアルな現場と技能の流れを体験学習できる
2.教育レベルのバラつきを無くす(指導スタッフの力量に依存しない)
3.どこでもできる(現場や訓練室などへの移動が不要)
4.短い時間で理解、習得できる
5.苦手なポイントを自主トレーニングできる
引用:プレスリリース
日本式介護教育VRサービス「CareVR」について
高齢化社会が進む中、日本の介護業界では人材不足が深刻化しており、これを解決するには外国人材の労働力確保が必要不可欠だと言われています。
「CareVR」は、ジョリーグッド社とベトナム・ハノイ市で介護技術を教育する「介護スキルラボ」を運営する大阪APSが、その労働力確保を目指し、外国人労働者に向けて開発した、日本式介護をVRで体験学習できる教育VRサービスです。
ベトナムや中国のほか、今後は、日本への送り出し労働人口が多いインドネシア、フィリピン、ミャンマーなどの国にも展開される予定です。
特長
「CareVR」では、
・日本式介護の概念
・介助技術
・日本文化を理解する上で必要な生活支援シーン
など、外国人労働者に必要な体験を高精度なVRで体験することができます。
具体的には、実際の日本の現場でのリアルな作業シーンを、母国語と日本語の360°VRで体験学習することができます。
日本語が未熟な生徒でも、作業一連の流れを介護士視点の母国語で体験できることで、日本語習得と並行した技能の習得ができるようになり、
・外国人労働者教育の高速化
・学習期間の短縮
を実現しています。
機能
「CareVR」は、ジョリーグッド社が開発した集合VR研修ソリューション「GuruVR Multi Seminar(グルブイアール・マルチセミナー)」によって、1対多のVR授業を簡単に運用することができます。
講師が一斉に受講者のVRゴーグルを操作できるだけでなく、トレーニング中の視点を解析して受講者の理解度をスコア化することもできます。
体験者の声
ベトナムのハノイ市で日本式介護の基礎教育を行う「介護スキルラボ」では、今年8月にVRによる介護授業が実施されました。
ベトナム人の受講者に実施されたアンケートでは、
「従来の教科書による授業はつまらなかったがVR授業は楽しい」
「今までは高齢者の気持ちがわからなかったがVRだとわかる」
「毎日授業でやってほしい」
などの意見が寄せられ、わかりやすさや習熟速度の向上に効果がみられました。
まとめ
外国人労働者増加による労働災害者数の増加は、解決急務な課題です。
主な要因がコミュニケーションの問題とのことで、言語に頼らずともリアルな現場と技能の流れを短い時間で理解・習得することのできる教育VRサービスは、どのような分野にも共通して役立つことは間違いありません。
言葉の壁を越えることのできる外国人向け教育VRサービスが、早く広く展開されていくことを願います。
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