台湾のテック雑誌「DigiTimes」によると、Appleは米国のゲーム開発会社Valveと提携してARヘッドマウントディスプレイデバイスを開発しているとのことです。
また、開発中のARヘッドセットは2020年の後半ごろに発売予定であるとも報じられています。
AppleとValveが連携してARヘッドセットを開発中の噂
AppleとValveが連携が話題になったのは今回が初めてではありません。
2017年、大手ゲームプラットフォームを運営するValveとAppleは協力して、VRヘッドセットに対応したmacOS High Sierraを実現させました。
しかし、「DigiTimes」の報道によると、現在AppleとValveの協力関係はVRではなくARの開発に向けられているとのことです。
さらに、Appleは自社独自のARヘッドセット開発から、Valveとの共同開発へ重点が移行したとも言われています。
加えて、台湾のパソコンメーカーQuanta ComputerとPegatronが、Appleのヘッドセットの製造および組立作業を担うことになるとも報道されました。
過去にはARグラス開発から撤退との情報も
Appleは進行中のプロジェクトについて厳格な秘密主義をとっているため、ARに関する情報は錯綜気味という状況です。
実際、今年の7月の「DigiTimes」の報道では、AppleはAR / VRヘッドセットの開発を停止し、それらに取り組んでいたチームが5月に解散し、他の製品開発に再割り当てされたとされています。
関連記事:AppleがARグラス開発から撤退したとの噂が!真偽はいかに?
しかし、iOSアプリ開発ツールXcodeの最新版「Xcode 11」で見つかったデータファイルと、iOS13で見つかったStarBoardというシステムはAR/VRヘッドセットの存在を前提としており、Appleが何らかのヘッドセットの開発を行っていると推測されました。
また、10月にはアップル製品の予測・分析で有名なミンチー・クオ氏が、アップルはサードパーティーと協同でARヘッドセットを開発していると語っています。
今回のAppleとValveの連携という報道は一連の情報をまとめた上での推測ともいえ、ValveのAR開発の状況から疑義を呈するメディアもあります。
疑問点:ValveのAR開発の現状
Valveが開発したVRヘッドセット「Valve Index」
Valveは新製品開発チームはAppleと同じく徹底した秘密主義を貫いており、正確な現状を知ることは困難です。
しかし、少なくともAR開発についてはARが今のように普及する前の2013年ごろに、当時の開発責任者が会社を離れ、同時にValveはAR開発チームそのものも手放しています。
その後ARを取り巻く状況は大きく変わっていますが、AR開発において遅れを取ってしまったValveがどのくらいAppleのAR開発に貢献できるのか、Valveとの連携が果たしてメリットになりうるか疑問視する意見があります。
まとめ
AppleのARヘッドセット開発に関する情報は、開発チームが解散したとか、2020年中の販売開始を予定しているといったものなど、非常に錯綜している状況です。
複数の情報・噂が出てくるということは、それだけAppleのARデバイスへのユーザーの期待感が大きいということだと思います。
また、AppleのCEOのTim Cook氏も「ARがデジタルコンテンツをユーザーの世界の一部にし、消費者にスマートフォンと同じくらい人気があると信じている」と語ったと伝えられており、依然として積極的な姿勢を保っています。
これまでAppleを支えてきたiPhoneやiPadに加えて、Apple TV、Apple Arcadeの定額制サービスが開始されるなど、Appleが提供するサービスも新しいフェーズに入りつつあるということも可能です。
もしもARヘッドセットの開発が進行中であれば、これらの新サービスに並ぶAppleの将来を支えていくにふさわしいものとなるのではないでしょうか。
参考:Rumor: Apple Reportedly Partners With Valve to Develop AR Headset[Road to VR]
参考:DigiTimes: Apple Partnering With Valve to Develop AR Headset[MacRumors]
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